「防災アイディア続々」原発立地地域の高校生サミット
全国の原発立地地域の高校生が集う防災サミットが27日Jヴィレッジ(楢葉町)で開かれた。
東日本大震災、東京電力福島第一原発事故を受教訓に身近な環境にある原発と改めて向き合い。将来の災害に備えるためのアイデアを発信した。
広野町のNPO法人ハッピーロードネットなどでつくる実行委員会の主催。10都道府県の高校1~3年生38人が登壇し、国や県、東電の社員ら200人が来場した。
「難しい言葉が多いと理解できない。子供たちにもわかりやすい言葉で説明してほしい」。大熊町出身の青山麗さん(ふたば未来学園3年)は過去に東電の原子力PR施設を訪れた経験を踏まえ、幼少期から原発について学べる環境の必要性を訴えた。
使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設は設置されている青森県むつ市の太田ちさとさん(むつ工2年)は「津波や地震だけではなく、さまざまな危険な場所を確認できるハザードマップを作成してみては」と提案した。
いわき市の芳賀力さん(磐城桜が丘2年)も「想定外をなくすこと大切。ハザードマップに放射性物質の飛散予想範囲も記すべきだ」と賛同した。
効果的な情報発信の在り方も探った。柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市刈羽村)が地元にある久我渉悟さん(柏崎工3年)は、本県の高校生や住民から震災の体験談を聞いたことを踏まえ「体験に基づく情報は説得力がある」と指摘。
郡山市の掘田彩さん(郡山北工2年)は「自分の目で見て、感じたことを周囲に広めることが大事」と呼びかけた。
(2018:12月28日:福島民友新聞1面)